日本剣道形一本目の動画と解説、形の意味と実践でどう役立つか?

日本剣道形一本目の動画と解説、形の意味と実践でどう役立つか? 日本剣道形

日本剣道形は段位審査で必ず演武しなくてはならないものであり、剣道の真髄が凝縮されたつまった宝庫とも言えますから、とても重要なものです。

しかし、防具・竹刀を用いた現代剣道の感覚では難解な動作も含まれ、真に形を理解するためにはその意味や日本刀の操法までを考える必要があります。

ここでは日本剣道形「一本目」の動作を解説しつつ、その意味を考えながらどのように昇段審査に活かし、竹刀稽古に応用すべきかについてお伝えします。

日本剣道形一本目の概要

一本目は打太刀が諸手左上段、仕太刀が右上段の「相上段」で始まります。

双方間合いに入るや、機を見て打太刀が真っ向に切り下ろしてくるのを仕太刀は後退してかわし、すかさず踏み込んで面を打ちます。

負けた打太刀が下がるところを仕太刀は眉間に剣先をつけ、さらに下がるところを上段にとって残心し形を終えます。

こちらの動画が参考になると思います。後半には、全日本剣道選手権大会にて実施された公開演武の動画をご紹介します。

一本目、打太刀の動き

左足を前に出す「諸手左上段」に構えた打太刀は、三歩進んで間合いに入り、機を見て仕太刀が頭上に構えた左右の拳ごと両断するつもりで、「ヤー」の発生とともに下まで切り下ろします。

それをかわされて仕太刀に面を打たれますので、打たれた後は左足から送り足で一歩後退、眉間に剣先をつけられます。

さらにもう一歩送り足で後退したところを上段の構えで残心を示されますので、間をとって元に戻り、形を終えます。

一本目、仕太刀の動き

右足を出した中段の構えから、真っ直ぐ刀を頭上にかざす「右上段」に構えた仕太刀は、三歩進んで「機を見て」切り下ろしてくる打太刀の攻撃を、左足から自然体で一歩下がってかわします。

この時、向かってくる太刀筋は仕太刀の両拳めがけて振り下ろされるので、仕太刀は頭上の両手をやや引き気味にしつつ下がるのがポイントです。

打太刀が切りかかってくるのは「機を見て」、つまり打ち込むチャンスを感じて、ということなので、仕太刀は打ち気を示して打太刀の攻撃を誘い出す意識をもつことが肝要です。

下がって打太刀の攻撃をかわしたらすかさず一歩踏み込んで「トー」の掛け声とともに面を打ちます。この時は一刀両断に切り下げる気魄(きはく)を込めることが大切です。

打たれて一歩下がる打太刀の眉間に剣先をつけ、さらに一歩下がる打太刀を追い込むように左足を進めて諸手左上段で残心を示して元に戻り、形を終えます。

日本剣道形一本目に込められた意味とは

相上段からの豪快な大技が特徴的な一本目ですが、「先(せん)」の気位を鍛えること以外にも実に細やかな攻め合いの妙技が隠されています。

まず、お互いに激しく先手を取ろうとしつつも、仕太刀はわずかな打ち気をわざと示して打太刀の攻撃を誘っています。

剣道では、自分が打たせたい部位にあえて隙を見せるなどして任意に相手の打ち込みを引き出し、それをさばいて応じ技を決めるという高等技法があります。

一本目はまさしくそのような剣道の戦い方を示しており、「打たせて打つ」という「後の先(ごのせん)」の極意を教えています。

日本剣道形一本目を竹刀を使った試合に応用すると

一本目は剣道の決まり手で言えば「面抜き面」という技に分類されます。

相手の面打ちを下がって抜き、即座に踏み込んで面を打ち返すという大技です。試合などでは決めることが困難な超高等技術であり、日本剣道形一本目の難しさを改めて感じさせます。

しかし、形を竹刀稽古で応用するというのは技そのものを直接使うだけではなく、そこに込められた戦略や施術の呼吸などをうまく利用するということでもあるのです。

一本目で学んだことの中には、「任意の部位を打たせる」「狙った通りの応じ技を決める」「後の先をとる」などの多くの戦術が含まれています。

したがって、面だけではなく小手や胴などほかの部位にも誘いをかけて、相手が引き出されて打ってきたところを応じる、といった自在な技に発展させることもできます。

お手本の日本剣道形の動画

こちらは全日本剣道選手権大会の公開演武の映像です。一本目の開始直前から再生されるようにしています。

まとめ

日本剣道形一本目は相上段で始まり、互いに一刀両断の激しい気魄(きはく)を込めて行います。

これは一説では「天・人・地」の「天」を象徴しているとも言われ、豪快でありながら精妙な動作で構成された、高度な技法を伝えています。

形は単にフォームを覚えるだけではなく、一本一本が真剣勝負であるという厳しい意識で行う必要があります。

そのような緊迫感を通して、竹刀での稽古もより鋭く無駄のない動きへと高められていくのです。


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コメント

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