武道ではその修行の段階を示すものとして「段位」を設けています。
剣道では初段から八段までの八段階があり、段位を授かるためには昇段審査に合格する必要があります。
初段から五段までは各支部の地方審査、六段以上は全国審査となり、段位が上がるほど合格率が低くなります。
各段位の合格率は地域や回ごとに異なりますが、大まかな目安と審査方法についてお伝えしたいと思います。
初段の合格率と審査方法
最初の段位である初段は、およそ80〜90%が合格するとされています。
1級取得後3か月以上で満13歳以上、というのが受審資格です。
審査内容は実技・学科・形で、五人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本のうちから三本が課題となります。
初段の筆記試験に関してはこちらを参考にしてみてください。
これが剣道初段審査の筆記試験の出題パターンと対策
二段の合格率と審査方法
二段は、およそ60〜70%が合格するとされています。
初段取得後1年以上が受審資格であるため、最短だと中学生のうちに二段に昇段する人もいます。
審査内容は実技・学科・形で、初段と同じく五人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本のうちから五本が課題となります。
三段の合格率と審査方法
三段は、およそ40〜50%の合格率とされています。
二段取得後2年以上が受審資格であり、初段の合格率と比べると約半分にまで下がります。
審査内容は実技・学科・形で、五人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本が課題となります。
四段の合格率と審査方法
四段は、およそ30〜45%の合格率とされています。
三段取得後3年以上が受審資格であり、10人中3人か4人しか合格しない狭き門であり、高段者の入り口ともいわれています。
審査内容は実技・学科・形で、六人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本と小太刀の形三本が課題となります。
剣道形の審査内容も三段までと比べてぐっと高度になるため、形審査で不合格になる人も増えてくる段階です。
五段の合格率と審査方法
五段は、およそ20〜30%の合格率とされています。
四段取得後4年以上が受審資格であり、地方審査での最高段位でもあります。
審査内容は実技・学科・形で、六人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本と小太刀の形三本が課題であり、四段と同様です。
明確な基準はありませんが、道場長や「先生」と呼ばれる存在として指導的立場になることが多いのがこの段位からです。
六段の合格率と審査方法
六段の合格率は約10%だといわれています。
五段取得後5年以上が受審資格となり、この段位からは各都道府県の持ち回りで行われる全国審査による受審となります。
審査内容は実技と形で、実技は六人、形は三人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本と小太刀の形三本が課題ですが、そのレベルもより高度なものが求められるようになります。
七段の合格率と審査方法
七段の合格率はおよそ8〜10%とされており、十人中一人も合格者が出ないということもありえる、厳しいものです。
六段取得後6年以上が受審資格となります。
審査内容は実技と形で、六段と同じく実技は六人、形は三人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本と小太刀の形三本が課題です。
八段の合格率と審査方法
八段の合格率は1%を割り込んでおり、ある回では0.8%でした。
これは司法試験の合格率より低いものであるため、剣道八段は「日本最難関の試験」とも呼ばれることがあります。
審査内容は実技と形で、実技は一次・二次の二段階で審査されます。
それぞれ第一次実技は六人、第二次実技は九人、形は三人の審査員によって審査されます。
剣道形は太刀の形七本と小太刀の形三本が課題です。
まとめ
剣道の各段位における合格率と審査内容について概観しましたが、すべての修行者が必ず八段まで昇段できるわけではありません。
しかし忘れてはいけないのは、段位の取得はあくまで「目標」のひとつであり、決して「目的」ではないということです。
修行や稽古の励みにして、真摯に剣道と向き合って人間形成に努める姿勢が何よりも大切です。
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