剣道で初めて昇段審査を受けるときには、合格できるか不安になったり心配になったりするもの。
こちらの記事でもお伝えしたとおり、剣道の初段審査は合格率が高くなっていますが、初めてだったり、落ちてしまったという人にとっては不安はあるものでしょう。
剣道の初段審査には、学科(筆記試験)と実技、日本剣道形の3つがあるわけですが、ここでは実技に関して合格のためのポイントをお伝えします。
なお、初段審査の学科(筆記試験と)はこちらを参考にしてみてください。
日本剣道形に関してはこちらに合格のポイントをまとめています。
初段の実技でテクニックより大切なこととは?
初めての段位審査というのは、級審査とはまた異なる緊張感があるものです。また、「段」という語感に対して必要以上の気負いを感じることもあるでしょう。
しかし、前提として心に刻んでおいてほしいのは、初段の実技でもっとも大切なのはテクニックではないということです。
むしろ合格を目標とした技術的な対策や、過去の傾向を知ることよりも、もっと大切なことがあります。
最も大切なのは「元気」
初段審査において過去の傾向や技術、テクニックよりも**大切なことは「元気」をいっぱいに出してのぞむことです。
ここであえて「元気」というのには理由があります。「気魄(きはく)を込めて」「充実した気勢で」等々、剣道でよく使われる表現もありますが、それらの根幹はやはり元気なのです。
初めての段位審査というプレッシャーのもとで、いつもなら出来るはずのことが出来なかったり、出るはずの声が出なかったりということは珍しくありません。
これは少年部の人だけではなく、大人になってから剣道を始めた人でも同じことです。
技術、テクニックは気持ち次第で変わるもの
実技審査の最中だけ気合を出そうとしても、なかなか思い通りにはいかないものです。
ですので、審査当日にはすべての不安や重圧を振り払って、いつもの自分らしい剣を審査の先生方にご覧いただくんだ、という明るく前向きな姿勢が大切です。
だからこその元気であり、そんな態度や心がけをこそ審査されているのだと心得て、テクニックよりもまず気持ちを奮い立たせることに主眼を置きましょう。
立ち上がりの発声が大事
初段の実技審査で重要なこととして、声をそろえて言われるのは「立ち上がりに大きな声を出すこと」です。
剣道で発声するということは、気を高めて心身を戦闘モードへと導く効果があります。
そうでなくともいつもとは違う審査会場という環境下でプレッシャーを感じているので、思い切って普段以上の掛け声を出しましょう。
大きな発声を行うと全身の空気が出ていき、次は自然と吸気を行うようになります。半強制的に深呼吸を繰り返すような状態となるので、自律神経が安定して落ち着いて相手と立ち合うことができるようになります。
もちろん、相手に空気を吸っているところを悟られるほど大きく肩で息をついてはいけませんが、まずはしっかりと、いつも以上に大きな第一声を心がけましょう。
段審査の実技は勝敗では決まらない
剣道の段位審査での実技は、すべての段位において「勝負」ではないことが大きな特徴となっています。
つまり、その段位に相応しい剣道ができているかということを審査するわけであり、強弱や優劣を競うものではないのです。
したがって、初段の実技審査においても極端な例を挙げれば、審査中に相手に一太刀もかすらせることなく一方的に打ち据えたとしても、不合格になる場合もあるのです。
初段は段位の最初のステージですから、何よりもまっすぐでまじめな姿勢で相手と立ち合うべきです。
大きな掛け声を出し、しっかりと攻めて大きくまっすぐに打ち込み、素早くきちんと残心をとる、といった一連の正しい打ち込みを行うことに集中しましょう。
たとえ相手に打たれても構いません。躊躇なく攻めて、途中で回避や防御行動をとるようなことはやめましょう。そんな果敢な姿勢を、審査の先生方は必ず評価してくれるでしょう。
胴着、袴などの着装も忘れずに
着装の乱れは心の乱れとも言われますから、剣道の段位審査で実技をする際、胴着・袴と剣道具の着装もとても大切な要素です。
これらをしっかりと身に着けないと安全上も問題があり、また折り目正しい着装は武道らしい美しさと気品をかもし出すものです。
これは初段を受ける初学者の人でも、必ずできることです。
こういったかたちの上でのことも含めて剣道の修行となりますので、できることはすべてして、あとは思い切った気持ちで審査に臨みましょう。
面の付け方や注意点はこちらをどうぞ。
胴と垂れの付け方はこちらです。こちらも動画があります。
まとめ
以上が剣道の初段審査の実技で注意するポイントです。
技術・テクニックよりも元気、立ち上がりのときの発声、積極的な剣道。そして、基本中の基本である着装。これらを中心に稽古されたとおりに昇段審査にのぞめば、合格を手にすることはできるでしょう。
緊張してしまう人もいると思いますが、たいていの人が合格しますから落ち着いて受けましょう。こうした言い方をするのは良くないかもしれませんが、ストレスになってしまうのは問題だと思いますので、あえてお伝えしますと、たとえ不合格だったとしてもたかが初段審査です。気にする必要はまったくありませんし、また受ければいいだけの話ですね。
なお、初段審査の学科(筆記試験と)はこちらを参考にしてみてください。
日本剣道形に関してはこちらに合格のポイントをまとめています。
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