剣道の面は練習、試合、昇段・昇級審査において、最も叩かれる箇所といえます。なので、面をしっかり装着することはケガ防止にもなりますし、面を入れられてもなるべく痛くないようにもできます。さらには、動きやすく戦いに集中できると言えます。
では、どうしたら正しく面をつけられるのでしょうか? それを解説します。
面をつける前にまずは手ぬぐいを頭に巻く
面を直接頭にかぶって紐をしめますと、面が上手く固定できませんし、竹刀で叩かれるとかなり痛いです。汗もたれてきて、試合に集中できません。
ですから、しっかりと固定して動きやすくするためにも、また、衝撃をやわらげるためにも、手ぬぐいを頭に巻いて面を固定させます。正しく面をつけられれば、面が頭にフィットして試合での動きも良くなります。それに、竹刀で技を入れられても衝撃を緩和してくれます。
上手くつけられていないと思ったら迷わず面をはずして、もう一度付け直したほうがいいでしょう。
では、具体的にどうやって手ぬぐいをつけたらいいのでしょうか?
手ぬぐいの巻き方
当然、手ぬぐいはなんでもいいのでただ巻けばいいというわけではありません。面を頭にしっかり固定して動かないようにするための正しい手ぬぐいの巻く方法があります。
最初は慣れなくて上手く巻くことができないかもしれませんが、とても大切なことです。何度も手ぬぐいを巻く練習をすれば、誰でもうまく巻けるようになりますからうまくできない場合には何度もやってみるのがいいでしょうね。たいていの場合、慣れの問題ですので、いつの間にかうまくなっているとは思います。
子供や学校の授業用に向いている“帽子”の巻き方
部活などで剣道をやっている場合はこの方法はほぼ使用しません。小さな子供が最初のうちにつけるケースがほとんどかと思います。あるいは、学校の授業などで剣道を行なう場合などにも有効かとは思います。
こちらの動画にありますように、日本手ぬぐいを帯状にして交差させるようにして折ります。はみ出している日本手ぬぐいの布端を、中に曲げて台形のような形を作ります。これで、帽子のような形状になりました。中央部分を開いて帽子のように頭にかぶります。
動画の説明にありますように縫ってしまって簡単に使えるようにするのもいいでしょうね。ただ、本格的に剣道に取り組んでいこうと思うのなら、次のやり方をするのが一般的です。
こちらの動画では、NGの例も解説されていますので合わせて見るとより分かりやすいと思います(開始から2分14秒まで)。
一般的な手ぬぐいの巻き方は交差縛り
日本手ぬぐいを頭にしっかり装着する方法は交差縛りというやり方です。
これは、剣道部に入ったり、道場に通って剣道に取り組むなど本格的に剣道をしている人向けの方法です。剣道う取り組む人にとってみたら一般的な方法といえます。手ぬぐいが頭にきちんと巻けずズレたりしますと、面も一緒にズレて非常に危ないです。
こちらも香川の丸亀武道館一心会による手ぬぐいの巻き方を解説した動画です。八段の先生による手ぬぐいの巻き方のお手本になります(1分46秒からは面の付け方になります)。
日本手ぬぐいの端を後ろから前へもっていき、おでこで交差させます。交差させた端をまた後ろにもってきて後ろで結びます。そして、顔の前にかかっている手ぬぐいを頭上にもっていきます。動画の2つ目のやり方にあるように、手ぬぐいを口くわえてやる方法もあります。
こちらの動画ですと、後ろからの見え方もわかります。
※上記と同じ動画ですが、途中から始まりますので、すぐに見られます。
面の付け方
日本手ぬぐいを頭にきちんと固定することができたら次は面を装着します。面は前面の金属の部分を持って顔をかぶせるようにつけます。フィットする位置を確認できましたら、紐を後ろで結びしっかり固定させます。頭を動かしてもズレたりしないか確認しましょう。結び方は面に紐をあらかじめ通して、面をかぶりましたら、引っ張って後ろで結びます。
子供の実演はこちら。
※上記と同じ動画ですが、途中から始まりますので、すぐに見られます。
別な動画はこちら。
※上記と同じ動画ですが、途中から始まりますので、すぐに見られます。
面紐の結び方
面紐は通常、7尺と8尺があります。面の下に面紐がついている場合は7尺の面紐です。面の上に面紐がついていて上からつける場合には8尺の面紐です。それぞれの結び方はこちらの動画が分かりやすいと思います。
下からつける結び方(7尺の面紐)
7尺のケースが多いようには思いますが、7尺のメリットは8尺よりも短く結ぶ工程が短くなりますから、スピーディに準備ができるということです。外すときも同じですね。ただ、人によっては面が固定されにくいというデメリットを感じる人もいるようです。
上からつける結び方(8尺の面紐)
8尺の場合、面の上部と顎の部分を結びますので、7尺の場合よりも面がしっかり固定されやすくなるメリットはあります。一方、7尺よりも結ぶ手間はかかってしまうというデメリットはあります。
面紐が長すぎる場合はこうして切ってしまうか初めから短い面紐を使う
面紐の長さは結び目から40cmという規定がありますので注意してください。
剣道具は試合中、乱れないように堅固に着装する。なお、面紐の長さは結び目から40センチメートル以内とする。
引用:全日本剣道連盟
長いようなら切ってしまって構いませんが、ただ切るだけですと切り口からどんどんほどけてしまいます。ではどうしたらいいのか? というとこちらの動画が参考になると思いますので、こちらを見ながらやってみるといいと思います。
やってみると分かりますが、最後の結びはちょっと難しく感じる人もいるかもしれません。
なお、子供向けに6尺などの短い面紐もあるようですので、もし長過ぎる場合にはそうした短い面紐を初めから使うのもいいと思います。
まとめ
面を正しい方法で装着することは剣道をする上で大切な基本と言えます。きちんと身に付けることは、分の身体を守り、安全に練習や試合を行うことができる大切なポイントとなります。特に日本手ぬぐいの頭への巻き具合は試合中の動きを左右し、勝敗においても重要なので普段家などで何回も練習しておくといいでしょう。
もし、面が痛い……! と感じることがあるならこちらの対処法がおすすめです。
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新しく面を買った場合にはこちらの方法で「型付け」を行いましょう。
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