剣道はルールをもとに審判が判断をし、技が入ったか(有効打突)判定をします。ですが、なかには分かっていながら反則をする選手もおり、反則の種類もいろいろあります。
わざと反則したわけではなくても、反則のような動きをしたがために反則と判定される場合もあります。故意ではないのに反則にされてしまうほどつまらないものはないでしょう。
そこで、どのような動きが反則になるのか、よくある反則どんなものか、そしてどんな基準があるのかをお伝えします。
鍔迫り合いが長すぎると反則をとられる
よくある反則の1つが鍔迫り合いのときにとられる反則です。短時間の鍔迫り合いは、試合中誰でもよくある試合運びですから何ら問題はありません。
ですが、長時間この状態が続きますと、引き分けに持っていくために時間かせぎをしているとか、技を入れる積極性が見られないと判定されて、反則をとられます。
あまりにも長時間の鍔迫り合いが続いた場合、主審が選手に別れを伝え、鍔迫り合いを解消させることもありますので、それに従っていればまず問題はないと思います。
場外に出ると反則をとられる
場外に出てしまうこともよくある反則といえると思います。試合をするスペースは決められていますから、その範囲から外に出てしまうと反則をとられます。外に2回出てしまうと、1本とられてしまいます。
当然、選手は自ら外に出ようと思っているわけではありませんが、相手に押されて試合の流れで出てしまう場合があります。その場合、倒れなかった場合と、倒れてしまった場合とで反則になる基準が変わります。
倒れずに場外の場合
倒れなかった場合には、足の一部が境界線上に残っていれば、反則はとられません。境界線から片方の足が完全に出た時点で、反則となります。ですから、右足は場内でも、左足が境界線を越えて外に出ていたらアウトです。一方、右足は場内で左足のかかとは場外だけれど、指は境界線に乗っているような場合は反則にはなりません。
倒れてしまった場合
倒れてしまった場合には、体の一部が境界線を超えた時点で反則になります。
竹刀や防具に関する反則
竹刀や防具に関する反則もあります。
触ってはいけない
試合中は基本的に防具や竹刀をむやみに触ったりしてはいけません。相手のも自分のもの両方です。
初心者がついやってしまうのが、タイムを要請しないで自分の竹刀を調整するように触ってしまうこと。とっさに試合中に相手の竹刀の動きを止めるために握ったりなんてこともごくたまにあります。こうした行為はできませんから反則になります。
竹刀を落とした場合は?
試合中に竹刀を落とした場合は反則となります。故意であってもなくても関係なく反則です。こちらの動画のように上級者が巻き上げて竹刀を飛ばしてしまうなんてこともごくたまにあります。
落ちる前に打って有効打突とみなされれば一本となるでしょう。
試合中反則をとられる足の動き
試合中に相手に足を掛けて倒そうとしたり、足を払って技が出ないようにする行為は反則をとられます。また、相手を場外へ出すために、押し出すような足の動きをしてはいけません。自分から場外へ出ることも、反則になります(そもそも場外に出た時点で反則です)。
してはいけない構えに関する反則
中学生以下ですと、三所避け(みどろこよけ)の構えは時間の空費とみなされて反則を取られます。三所避けはは面・小手・胴全部を、相手に打たれないように防ぐ構えです。中学生以下は突きが禁止されていることもあり、三所避けをされると攻めにくくなってしまいます。
第16条
規則第17条7号の禁止行為は、次の各号などをいう。
相手に手をかけまたは抱え込む。
相手の竹刀を握るまたは自分の竹刀の刃部を握る。
相手の竹刀を抱える。
相手の肩に故意に竹刀をかける。
倒れたとき、相手の攻撃に対応することなく、うつ伏せなどになる。
故意に時間の空費をする。
不当なつば(鍔)競り合いおよび打突をする。
こちらは全日本剣道選手権大会を二連覇している数少ない名剣士の高鍋進さんの試合の様子です。Wikipediaの高鍋進さんのページを見ると、悪癖とされる三所避けが出てしまうと書かれているとおり、たまに三所避けのような形が見て取れます(例えば、1:25付近)。
なお、胴は通常、自分から見て相手の左側を打突します(侍が鞘をつけていないのない側)。その関係があってか反対の胴は有効打突とされているにもかかわらず、有効打突として認められにくいようです。ただ、三所避けの構えが問題視された経緯もあって、審判によっては三所避けの場合には逆胴が有効打突になる判断をゆるくしているケースもあるとか。
体当たりに関する反則
体当たりに関しても反則を取られる場合があります。ポイントは技を出しているかどうかです。技を出さずに単に押すだけの行為が反則になります。例えば、鍔迫り合いのときに技を出すために一旦、相手を押して仕掛けるとか、相手が押し返してきたときに引き技を決める、といった場合は反則にはなりませんが、何度も体で押すだけのような行為は反則となります。
ガッツポーズをすると反則になる
技を1本決めることができたら、思わずガッツポーズをしたくなるかもしれません。ですが、剣道の試合中にガッツポーズをしますと反則をとられます。せっかく決めた1本が取り消しになってしまいます。礼儀という観点から反則となります。試合中にガッツポーズをしないように気を付けましょう。
まとめ
試合はルールを守って、取り組むようにするのが当たり前。アンフェアではなくてフェアな試合展開は、選手同士も観客にも良い印象を与えます。強い選手ほど反則は少ないものなので、反則が多いと弱い選手と思われてしまうかもしれません。相手が反則ばかりでも、冷静になって技を出していけるのが強い選手とも言えそうです。
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