剣道、二刀流の対策。二刀流への攻め方、戦い方はこうするといい

剣道、二刀流の対策。二刀流への攻め方、戦い方はこうするといい 二刀

剣道を現役で修行している人にとっても目にするのが稀な「二刀流」。その存在すら知らなかった、という人も珍しくはないといいます。

そんな二刀流の剣士と、もし試合をしなくていけなくなったらどのように対策して戦えばよいのでしょうか。二刀流の相手がどんな戦法を使うのか、それを十分に把握しておかないと不覚を取ることになりかねません。

ここではそんな対二刀の攻防について、攻め方や勝ち方に関してお伝えします。

二刀の勝ちパターンを知って二刀への対策を練る

まず、二刀の剣士がどのような戦い方をするのか、大まかに解説します。

二刀の構えで最も多いのは、小刀を中段に構えて大刀を上段にとるというスタイルです。

つまり、二刀では小刀で牽制しつつ相手の一刀中段の竹刀を封じ、上段から大刀の片手打ちで仕留めるという戦術が基本的な戦い方となります。

したがって、二刀を相手にするときの心構えは対上段のパターンに似ているといってよいでしょう。

これが二刀の勝ちパターン、注意が必要なのは二刀の小刀

ただし、気をつけなければならないのは相手の「小刀と剣先を交える」ことです。

相中段の感覚で、小刀を相手に攻め合いを始めたとします。しかしその段階ではすでに、深く相手の打ち間に入ってしまっています。通常の竹刀よりはるかに短い小刀と合わせるので、当然そうなります。

二刀はそれをチャンスとばかり、小刀で相手の竹刀を押さえたり絡めたりすると同時に、がら空きになった面に向けて頭上の大刀を振り下ろします。

これが面白いように決まることが多く、二刀にとっての必勝パターンのひとつといえます。

一刀中段で二刀を相手にするときは、決して小刀と勝負をしてはいけません。間合いをとって平正眼に構えるなどして、二刀の小刀に「仕事をさせない」ことが肝要です。

二刀流の大刀と小刀の作用を分断する

二刀は両手に竹刀を持っていますので、単純に一刀の二倍強いのかというと決してそうではありません。

むしろ十の力を左右に分散して、それらが正しく合わさったときにプラスアルファの力を発揮すると考えた方がよいでしょう。

したがって、大刀と小刀の連携を断って二刀としての強みを発揮させないような戦い方が有効です。

例えば、上記のように小刀を相手にしないことを貫くことができれば、それは対二刀ではなく「対片手上段」のような勝負になります。

二刀あることで一刀のときよりも、竹刀への意識が向きがちですが、小刀、大刀の二刀を意識してしまって迷いが生じてしまうのはよくありません。

このように二刀の優位性を封じて、こちらのペースで試合を運ぶことがポイントです。

ただし、小刀でも厳しい条件を満たせば一本となるため、打たれてもいいというわけではない点に注意しましょう。

二刀への攻め方のポイントは果敢さにある

二刀を相手にすると、打つべき場所がどこなのか見当たらない、という錯覚に陥るといいます。確かに鉄壁の防御と、見慣れない姿に有効な打突部位を捉えあぐねることもあるでしょう。

しかし、一本となるのは一刀中段の場合とほぼ同じ部位であり、必ず隙ができます。

なお、有効打突となる箇所がほぼ同じというのは構えによって小手の有効打突部位が変わるからです。

規則第14条(打突部位)は、第3図のとおりとし、面部および小手部は、次のとおりとする。

  1. 面部のうち左右面は、こめかみ部以上。
  2. 小手部は、中段の構えの右小手(左手前の左小手)および 中段以外の構えなどのときの左小手 または右小手。

引用:剣道の試合・審判のルール|全日本剣道連盟

上記のように全日本剣道連盟のページには明示されています。

攻め方のポイントとしては二刀に圧倒されることなく、勇猛果敢に攻め抜いて、二刀の防御を崩していく気勢が必要です。

迷いなく打ち切ってくる相手がおそろしいというのは、二刀の側にとっても同じです。臆することなく立ち向かっていきましょう。

二刀に勝つ方法は? それなら突きを警戒させるのが有効

二刀構えでさらけ出している最短の部位は「突き」であるといえます。

ただし、二刀の側でもこれを十分に警戒しており、突きを払ったり受け流したりしてからの返し技を身に付けていると考えた方がよいでしょう。それでも突きは二刀にとって大きな脅威です。

こちらは攻め崩すつもりで思い切って突き技を織り交ぜていくことが有効です。二刀の側が突きを警戒し出したら、出足も確実に弱まります。

気持ちの上でも優位に立っていくことが、その後の戦局に大きく影響することはいうまでもありません。

二刀のデメリットを利用した小手狙いも有効になることが

たいていの剣士が中段の構えですので、多くの試合で小手が有効打突となるのは右小手になります。しかし、中段以外の構えの場合には右小手も左小手も有効です。

なので、単純に両方の小手も狙えるというのもありますが、大刀の小手を狙うことで大刀を有効に使えなくしてしまうのは1つの手にはなります。仮に小刀で打たれたとしても有効打突になることはまずありません。もちろん、これは小刀をまったく無視して無防備に打たれてもいいというわけではありません。

二刀のデメリットとメリットはこちらにまとめています。

剣道、二刀流のルールとメリット・デメリットとは?

伝説の剣豪・宮本武蔵、といえば「二刀流」をイメージしますが、剣道でも両手に竹刀を構える「二刀」というスタイルが認められています。通常の一刀に比べて遣い手が少なく、剣道の現役修行者でも実際に手合わせした経験をもつ人は多くないといわれています。しかし、あなたが二刀の遣い手でなくても、同じ剣道の技として二刀を知ることは勉強に

小刀を使わせて他を攻める

小刀は軽くて短い分、それだけ操作しやすくなりますから、小刀で受けるという動作はよく見られます。守りが強いと思われるのはそうした側面もあるでしょう

しかし、それをうまく利用することもできます。例えば、面を打ちに行くと小刀で受けにいきますから、その隙をついて攻めるということができます。

連続技ができるとなおいい

そしてもう1つ。2本の竹刀があるということは、2箇所を守ることができるということになります。ですから、連続技で2回攻めるところをさらにもう1つ攻めることで攻めきることができます。

そうはいってもなかなか難しい面もありますので、稽古が必要にはなっています。ですが、二刀に限らず一刀との戦いでも有効になるのは言うまでもありませんから、しっかりと稽古をしておくのは必ずやプラスになることでしょう。

まとめ

相手はこちらのことをよく知っており、こちらは相手のことをほとんど知らない、といった状態では剣道に限らず、どんな勝負事でも圧倒的に不利ですね。

いざ対二刀、という状況ではこれと同じことが起こりやすいといえます。

ほとんど目にすることもなく、したがって実際に手合わせする機会も稀少な二刀流ですが、その戦法を知っておくことだけでも大きな武器になるでしょう。

万が一、二刀流の剣士と戦うことになっても落ち着いて、上記の方法をぜひ試してみてくださいね。

二刀流に関してはこちら記事もありますので、合わせてどうぞ。

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剣道における二刀流の構え方と試合動画まとめ

剣道の数あるスタイルのなかでも、あまり見かけることのない存在なのが「二刀流」。話に聞いたり映像で見たりしたことはあっても、実際に目の当たりにしたという方は多くないでしょう。二刀がどんな構えでどんな攻防をするか知っておくことは、二刀をやってみようという方にはもちろん、二刀と試合をすることがあるという方にとっても重要です。

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