剣道における二刀流の構え方と試合動画まとめ

剣道における二刀流の構え方と試合動画まとめ 二刀

剣道の数あるスタイルのなかでも、あまり見かけることのない存在なのが「二刀流」。

話に聞いたり映像で見たりしたことはあっても、実際に目の当たりにしたという方は多くないでしょう。二刀がどんな構えでどんな攻防をするか知っておくことは、二刀をやってみようという方にはもちろん、二刀と試合をすることがあるという方にとっても重要です。

そこで、ここでは剣道二刀流の構え方を中心にご紹介します。後半には二刀の試合動画もピックアップしてお届けします。

なお、二刀の規定、ルールなどを知りたい場合にはこちら。

剣道、二刀流のルールとメリット・デメリットとは?

伝説の剣豪・宮本武蔵、といえば「二刀流」をイメージしますが、剣道でも両手に竹刀を構える「二刀」というスタイルが認められています。通常の一刀に比べて遣い手が少なく、剣道の現役修行者でも実際に手合わせした経験をもつ人は多くないといわれています。しかし、あなたが二刀の遣い手でなくても、同じ剣道の技として二刀を知ることは勉強に

二刀への攻め方や戦い方などの二刀対策はこちら。

剣道、二刀流の対策。二刀流への攻め方、戦い方はこうするといい

剣道を現役で修行している人にとっても目にするのが稀な「二刀流」。その存在すら知らなかった、という人も珍しくはないといいます。そんな二刀流の剣士と、もし試合をしなくていけなくなったらどのように対策して戦えばよいのでしょうか。二刀流の相手がどんな戦法を使うのか、それを十分に把握しておかないと不覚を取ることになりかねません。

剣道の試合で見られる二刀の主な構えを押さえる

二刀の構えはさまざまな種類がありますが、試合という観点で考えると正二刀と逆二刀が主流です。ほぼこの2つと思って構いせません。足の位置による違いありますが、大きく正二刀と逆二刀の2つと考えていいと思います。

  1. 正二刀
  2. 逆二刀

二刀との試合対策を考えるなら、あるいは自身が二刀を目指すなら、まずはこれら2つを知ることでしょう。

正二刀の構えと試合動画

二刀の構えでは最もオーソドックスな基本となる構え方です。

右手に大刀、左手に小刀を持ち、大刀は頭上に上げて「右片手上段」の構えをとります。

一方の左手の小刀は中段に構えますが、相手が一刀中段である場合にはその剣先と合わせるようにするため、通常の小太刀の中段よりは高めに構えるのがセオリーとなります。

正二刀の場合は基本的には右足が前となりますが、逆に左足を前に出して構えるという方法もあり、自由度が高いのが特徴です。

大刀の握りは柄頭めいっぱいか、あるいはやや余して握ることが多く、戦局や相手との間合いによって握る位置をこまめに変えることが技術のひとつです。

正二刀の構えをする二刀流剣士の試合はこんな形になります。


第55回全日本剣道選手権大会(2007年)、2回戰、山名信行六段(徳島) x 鹿野允成四段(山梨)
 ※段位は当時の段位です

逆二刀の構えと試合動画

正二刀とは反対に、左手に大刀、右手に小刀を構えて大刀は頭上、小刀は中段にとるスタイルです。

足は基本的に大刀を構える左側を前に出しますが、これも正二刀と同様に自在に左右を入れ替えて構えるパターンが見られます。

利き手が右手の人にとっては、使い慣れた手で小刀を操作できるため、より精妙な小刀さばきが可能となる構え方です。

したがって、好んで逆二刀に構える二刀流剣士も多く、小刀で十分に攻め勝って左の大刀で一撃を加える、といった戦法を得意とする印象を受けます。

逆二刀の構えをする二刀流剣士の試合はこんな形になります。


第12回東京武道館杯 一般 決勝

その他の二刀構え

現代剣道の二刀流剣士を目にするのは、上記の2種類がほとんどかと思われますが、二刀の中段の構えもありますし、他にもいくつか構えはあります。

二刀中段の構え

二刀流での中段構えであり、蹲踞の姿勢から試合開始直後はこの状態となっています。

大刀のなかば辺りで小刀の剣先をややクロスさせるようにして、中段にとります。

古流剣術ではしばしば見受けられる構え方ですが、現代剣道における二刀では突き以外にはノーモーションでの攻撃ができないため、ほとんど見ることはありません。

ただし、通常の中段よりもかなり高めに大刀の剣先を上げて、一拍子で打ち込めるように工夫した独自の二刀中段を遣う選手もいます。

二刀独特の構えの自由度を最大限利用して、他にもさまざまな新戦法が生み出されています。

他の構えは一刀と同様に考えても差し支えない

古流剣術にはさらに多くの二刀構えが存在しています。

団体や選手によっては、それらの古流の構えを駆使する遣い手もいるため、他の二刀構えのバリエーションについても代表的なものをご紹介しましょう。

基本的に、一刀で行う「五行の構え」に類似したものは二刀でもすべてあると考えて差し支えありません。

正二刀や逆二刀が「上段」とすれば、もちろん「下段」「八相」「脇構え」に相当するものもあります。

例えば下段は両手を下げた状態になるため一見無防備ですが、古流の形では相手の打ち込みを誘って小刀で受け止め、それと同時に大刀で突く、といった用法が見られます。

また、脇構えでは小刀を前に突き出し、大刀を脇に引いて剣先を相手に向ける、または大刀を反対側の腰に回しこむように構えて小刀を前に出して攻める、などの方法があります。

これらは概ね、宮本武蔵が編み出したという「二天一流」の技が基本となっているようです。

ほかにも「心形刀流」の二刀では大小の刀をそれぞれ反対側の腰に回し込んだ「鷹の羽」の構えや、天道流では両手に小刀を持った「二刀小太刀」の技など、多彩な構え方が伝わっています。

二刀の試合動画

こらでは珍しい二刀の試合動画を載せます。正二刀同士の試合、逆二刀同士の試合、正二刀と逆二刀の試合、二刀で八段の方の試合です。

正二刀同士の試合動画

2人とも正二刀の試合です。途中から片方の剣士が逆二刀に変更しているのも興味深いです。


正二刀同士の試合

逆二刀同士の試合動画

こちらは互いに逆二刀の試合。


逆二刀同士の試合

正二刀と逆二刀の試合動画

正二刀と逆二刀の戦いです。


こちらは正二刀と逆二刀の試合です

二刀(正二刀)と上段の試合

上段の剣士も少ないですが、二刀との対決となるとさらに珍しい試合でしょう。


二刀と上段の試合

二刀で八段の試合

逆二刀の藤井良一範士八段が全日本東西対抗剣道大会で戦った試合の動画です。


藤井良一範士八段の試合

まとめ

見慣れない二刀の構えの数々には、意表を突かれて奇異に感じるものもあるかもしれません。

しかし、それらは一刀中段と同じく長い歴史のなかで培われてきた、貴重な文化遺産でもあります。

いずれも理合に適ったものであり、一刀中段を練磨する者にとっても大いに参考になる点があります。

実見する機会があれば先入観を捨てて、せひとも真摯に学びたい技の数々です。

冒頭でもお伝えしましたとおり、二刀の規定、ルールなどを知りたい場合にはこちらをどうぞ。

剣道、二刀流のルールとメリット・デメリットとは?

伝説の剣豪・宮本武蔵、といえば「二刀流」をイメージしますが、剣道でも両手に竹刀を構える「二刀」というスタイルが認められています。通常の一刀に比べて遣い手が少なく、剣道の現役修行者でも実際に手合わせした経験をもつ人は多くないといわれています。しかし、あなたが二刀の遣い手でなくても、同じ剣道の技として二刀を知ることは勉強に

二刀に対する攻め方や戦い方などの二刀対策はこちらをどうぞ。

剣道、二刀流の対策。二刀流への攻め方、戦い方はこうするといい

剣道を現役で修行している人にとっても目にするのが稀な「二刀流」。その存在すら知らなかった、という人も珍しくはないといいます。そんな二刀流の剣士と、もし試合をしなくていけなくなったらどのように対策して戦えばよいのでしょうか。二刀流の相手がどんな戦法を使うのか、それを十分に把握しておかないと不覚を取ることになりかねません。

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