剣道の試合や練習・稽古で相手にどんどん間合いをつめられてやりにくい、または圧倒されてしまうという人もいるかと思います。熟練した高段者ならうまく対処できるかと思いますが、そう簡単にはできないこともあるものです。
また、遠間から攻め入っていくと相手も前に出てきますから、間合いがつまって近くなり十分な機会でないのに打ってしまって良い打ちにならないということもあります。下がってもつめられる、下がってもつめられる……と悩む方も多いようです。
そこで、剣道の試合中、あるいは稽古・練習中に相手に間合いをつめられてしまう、切ってもまたつめられる、という場合の対処法をお伝えします。
その前に3つの間合い、8つの間合いの基本を押さえたい場合にはこちらの間合いの解説ページをご覧ください。
剣道で間合いをつめられた場合の対処法
さまざまな状況が考えられますから、一概にいえないというのはありますが、よくある対処法としていくつかご紹介します。こうした対処法には唯一の正解というのはありませんので、自分なりにどう対処するか? ということを考えるうえでの参考として捉えてください。
なお、稽古の場合には遠間から攻め合い、特に打ち間までの攻め合いを重要視するのが普通ですから、高段者だからといってむやみに間合いをつめてくるような稽古はあまりよくないでしょうから、何らかの正当な理由がない限り、指導者に疑問を抱いたほうがいいかもしれませんね。
- 竹刀、足を使う
- 自分の間だと思えばどんどん攻める
- 出ばな、出頭を打つ
- さらに前につめる
- 下がる、ただし条件付き
竹刀、足を使う
間合いをむやみにつめてくるような相手と稽古するときには、剣先で押さえるようにする、乗る、または払うといった形で対処してみます。または、足を使って捌くのもいいでしょう。
自分の間だと思えばどんどん攻める
自分の間であるなら迷わず、突きでも面でもどんどん打っていくというのも対処法としてはあります。特に突きは有効になると思いますが、迎え突きにならないように注意することは必要でしょう。
さらに前につめる
近い間合いをさらに近くして打たせないようにするのも手です。そのまま体当りして突き放して、離すことで間合いをとって距離を置くということもできます。
出ばな、出頭を打つ
相手が出て来るところを出頭を打つ稽古をする。これは打たれても返されても構いません。いつか打てるコツをつかむようになります。またお互いに間合いがつまってしまった場合は、気持ちは相手に向け、気を抜かないで退きます。
下がる、ただし条件付き
下がってはいけないと言われるともあるかと思いますが、どんなときにも絶対に下がってはいけないといことはありませんから、間合いがつまった場合は別に下がっても構いません。近間の状態が長く続くと「間合いが近い」とみなされよくないというのもあります。
近い間合いが長く続く場合もありますが、そうした場合には下がっても構いません。ただし、十分な気位をもって下がるという条件はつきますが。
なお、近い間合いが悪いということはありません。常に近間でしか打たないとか極端に近いなどは別として、近間まで入って打つこと自体が否定されることはなく、「よく攻めて打った」とみなされ、悪いことではないと考えるのが普通でしょう。
剣道は間合いの取り方、せめぎあいが醍醐味の1つ
こうした対処をしても、それでもつめてくる相手もいると思いますが、あまりにつめてくるような剣士は、駆け引きやせめぎあいという剣道の醍醐味の一つともいえることを理解していないように思えますので、うまく気づかせてあげられるといいでしょうね。
遠間、触刃の間合いから自分の打ち間まで入っていく際の攻防はとても重要ですし、そのせめぎあいが面白いともいえるのが剣道でしょう。
もちろん、間合いに入っただけで終わりということはありませんから、その後の判断も状況によりさまざまです。相手との駆け引きを楽しみつつ上達を目指すところにも面白さがあるように思えます。
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