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剣道の応じ技、すり上げ技を決めるには? 最も簡単にできるすり上げ技はこれ

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剣道の応じ技、すり上げ技を決めるには? 最も簡単にできるすり上げ技はこれ

剣道の応じ技のなかには、「かわす」「返す」「打ち落とす」といった動作のほかに「相手の攻撃の軌道をそらす」という系統の技法があります。

そんな技のなかでも鎬(しのぎ)を使って相手の打ち込みをそらすのが「すり上げ技」です。

竹刀を用いた技術のなかでももっとも「剣術らしい」といわれる、そんなすり上げ技について解説します。

すり上げ技とは

「すり上げ技」とは、相手が打ち下ろしてくる竹刀を自身の竹刀の「鎬」を使ってすり上げ、結果として相手の太刀筋を右か左のどちらかにそらしてしまうという技です。

すり上げの技は相手の打ち込みの勢いが強いほど効果が高まり、剣術のように上から下へと深く切り下げるとその分大きく太刀筋の軌道がそれることになります。

剣道では鋭くコンパクトな打ち込みですが、それでもすり上げ技がしっかりと決まったときには竹刀の位置を復元する間もなく打たれてしまうことになります。

攻撃線がそれることによって相手に隙ができ、そこをすかさず打つという応じ技です。

すり上げ技で注意したいのは、すり上げが大きな動作にならないことです。払うような形でやや大きな動作にしてましうと次の打突につなげにくくなります。

できるだけすり上げを最小限にとどめて、そしてすり上げから直ちに開いて打突するのがポイントです。

すり上げ技について、代表的な例をいくつか以下に挙げてみましょう。

  1. 小手すり上げ面
  2. 小手すり上げ小手
  3. 小手すり上げ胴
  4. 面すり上げ面
  5. 面すり上げ小手
  6. 面すり上げ胴

小手すり上げ面は最も簡単なすり上げ技

小手すり上げ面すり上げ技のなかでも最もやりやすく、初心者でもできる技になります。

もちろん、それ相応の練習・稽古は必要ですが、他のすり上げ技よりもやりやすい技です。

相手が小手を打ってきたところを竹刀の鎬ですり上げ、そのまま面を打ちます。

表鎬(おもてしのぎ)でも裏鎬(うらしのぎ)でも可能ですが、裏鎬ですり上げると相手の太刀筋が大きく自身の右側へとそれます。なので、裏鎬を使ってすり上げること多くなる傾向にあるようです。

小手すり上げ面のコツとポイント

小手すり上げ面を行う際には、竹刀にやや角度をつけるようにして真っ直ぐに突き出すようにします。それで相手の太刀筋を迎えて自然にその軌道がそれるように導くことです。

払い技返し技と異なり、すり上げ技はふわっとやわらかく竹刀同士を接触させ、相手の打ち込みの勢いを横方向にずらしてしまうことがポイントとなります。

そのために、相手が反射的に竹刀の位置を復元してしまわないようなやらかい操作が必要となるのです。

非常に難しい小手すり上げ小手

小手すり上げ小手は日本剣道形の6本目にも出てきますね。

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相手の小手をすりあげて小手を打つわけですが、有効打突というのは必ずしも強い打突である必要はないという点は押さえておきましょう。

打突の強度が伴わなくても技の内容によっては有効打突に結びついていきます。

小手すり上げ小手を決めるには?

小手すり上げ小手は体をさばきながら、左へさばきながら打つのがポイントです。その場ですりあげてはいけません。すりあげるときに体を左に出しながらです。もし、小手がダメなら面にいくようにしましょう。

体をさばきながらすり上げると、すり上げ動作は小さくても結果として大きくすり上げることができます。

小さくすりあげて小さく打つ、コンパクトに打ちます。すり上げたらそこから竹刀を下に落とすようなイメージでも構いません。

すり上げた → 打った、というような流れではとてもではないですが、小手が間に合いません。

小手すり上げ胴

相手の小手打ちをすり上げて、胴に隙ができた場合に使うのが「小手すり上げ胴」です。

これは小手打ちをすり上げられた相手が次の面打ちを警戒して、反射的に頭上をかばった際に有効な技となります。

表鎬でも裏鎬でも、また左右どちらの胴に対しても使用することができます。

小手すり上げ胴のポイントとコツ

その際には、すり上げた直後に間髪入れずに面を打つという気勢と体勢を十分に示すことが必要となります。

相手に「本当に面を打たれる」という危機感を抱かせることが胴への隙を生み出すため、最初から胴狙いでそれを見切られるということがないよう注視しましょう。

面すり上げ面

相手が面に打ち下ろしてくるところを、自身の竹刀の表鎬(おもてしのぎ)を使って振り上げるようにしてすり上げ、相手の太刀筋が自分にとって左方向へとそれた瞬間に面を打つという技です。

非常に難しい技ですので、できなくて当たり前と考えてもいいと思います。

「日本剣道形」の五本目と六本目ですり上げの技を見ることができ、面すり上げ面は五本目に該当します。

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面すり上げ面のポイントとコツ

表鎬を使ってすり上げる場合、相手の竹刀を払いにならないように、できるだけ自分の竹刀が体の中心に置くようにすりあげるのがポイントです。

また、すり上げはできるだけ顔の前の方向で相手の竹刀を擦り上げるといったところにも注意が必要です。

なお、すり上げる際には自分の体を右斜め前の方向にさばいてもかまいません。

裏鎬ですり上げて面を打つ場合は、左足を左斜め後ろに体をさばく、あるいは場合によっては前に出ながらでも構いません。

ポイントは相手の仕掛けてくる勢いによって変えるということです。相手の動きを察知して左斜めの方向にさばいて擦りあげるか、あるいは前に出ながらすり上げてさばくか。

そこを判断します。

面すり上げ面の動画


面すり上げ面のスロー動画

相手の面打ちをギリギリまで引きつけ、それをすり上げて面打ち。

面すり上げ小手

相手が面を打ってきたときにすりあげて小手を打ちます。

相手の出方によって左斜め後ろに体をさばきながらすり上げて小手を打つ、あるいは相手の勢いが十分でないようなときには、前に出ながらでも構いません。

自分の体のさばきを使って相手と十分に間合いを見計らって打突の強度が失われないようにすることが非常に大切になります。

面すり上げ小手の重要事項

面すり上げ小手の場合には最後の小手をきちっと決める、あるいはしっかり打たないと相手の面の勢いに自分が逆に負けてしまいます

ですから、すり上げたら正確に打突部位をとらえていくことが寺重要です。

そのためには手で打たないようにします。自分の腰をしっかり入れて腰のさばきを使ってしっかりと打突することがポイントになります。

比較的決まりやすい面すり上げ胴

面すり上げ胴は比較的決まりやすいすり上げ技です。

すり上げの理論と要領は面すり上げ面と同様ですが、相手が面をかばって手元を上げた瞬間に、隙のできた胴へと打ち込むのが「面すり上げ胴」です。

この場合ですと表からのすり上げで左右の胴を打ち分けることができ、裏鎬(うらしのぎ)ですり上げた場合には間合いが接近していれば右の引き胴、あるいはそのまま逆胴を打つという使い方も可能です。

いずれにせよ、すり上げられた際の相手の反応と間合いによって柔軟に打つべき部位の最適解を導き出すことが肝要です。

面すり上げ胴の動画


面すり上げ胴が決まった瞬間

こちらは試合の動画ではありませんが、面すり上げ銅を決めたときの動画です。

まとめ

日本刀に特有の「鎬」を使った技法群は、日本剣道形にも伝わるとおりに剣技の根幹をなすもののひとつです。

竹刀だけではなかなか実感できない鎬の有り様ですが、木刀を使って稽古することでもそれらを体感することができます。

形と竹刀打ちとをつなぐ重要な術でもあるため、剣道形と照らし合わせながらよく練習したい技のひとつです。

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