剣道を習い始めたばかりの初心の人にとって、「一本を取る」ことは最初のハードルのひとつではないでしょうか。
あるいはスランプにおちいっている人もいるでしょう。
なかなか打突部位に当たらず、また当たったとしても一本と認定されないなど、悩みがつきることはありません。
しかしそのためにも、しっかりとした「攻め」が必要なのです。
ここでは特に初心の人におすすめな攻めの3つのパターンとコツについて解説します。
相手に「打たれる」と思わせる
具体的な「攻め」の話をする前に大切なことをまずお伝えします。
「攻め」とは打突を行うための前段階で行うことです。これを意識しないと、無意味な攻めになりかねませんので注意しましょう。
例えば、相手の防御を崩す、体勢の偏りを招いて隙を作り出すなどしてスムーズに攻撃を行うためにあります。
そのため、「攻め」は「崩し」と言い換えることができる面も持っています。
重要なのは相手が本当に「打たれる」と思って、防御などの行動を反射的に起こしてしまうように仕向けることです。
つまり、こちらからも本気で打つ気勢を示す必要があり、見え透いたフェイントでは効果が薄いことを念頭に入れておきましょう。
以下、初心の人にも使いやすく、有効な攻め方を3つ挙げてみましょう。
- 表・表・裏の攻め
- 表攻め→裏払い
- 面と見せて小手への打ち
表・表・裏の攻め
竹刀で中心を取る、基本の攻めを組み合わせて応用したものです。
最初は軽く表から中心を取る素振りを見せ、今度はやや強くもう一度表から中心を取りにいきます。
相手は必ずなんらかの反応を返してくるはずなので、そこを抜くような要領で即座に裏から強く中心を取ります。
緩急をつけて相手の出方をうかがい、そのリズムの意表を突く攻め方です。
「表・表・裏」のパターンはあくまで一例ですので、状況に応じてさらにさまざまなルーティンをつくりだすことができます。
試合ではお互いに、こういった攻めによる探り合いを行っているため、初心の人にとっては実践的な訓練にもなる効果的な方法です。
中心のとり方に関してはこちらを参考にしてください。
これが剣道で中心を取る5つの方法、すぐ中心を取られてしまう剣士でもOK
剣道では、打突するためにまずは相手の「中心を取る」ことが必要とされています。相手の竹刀のある位置に割って入るような感覚で、その正中線における主導権を握ることと言い換えてもよいでしょう。しかし、初心のうちはなかなかその感覚が分からないもの。せっかく中心を取ったと思ってもすぐに取り返されてしまう。あるいは攻める間もなくこち
表攻め→裏払い
一方を攻め、相手が反応したところを逆側からさらに攻めるという、常道的な方法です。
熟練者同士では単純には成功しない攻め方ですが、初心のうちは思い切って強く攻めてみるとよいでしょう。
最初の表からの攻めでしっかりと強く中心を取りにいき、相手が返そうとしたところを下から竹刀を回して鋭く裏払いを行います。
成功するか失敗するかはその時次第ですが、どちらにせよ払った後は間髪入れずに打ち込んでいくことが大切です。
たとえ一本とはならなくても、この一連の攻撃パターンそのものが試合全体の流れを通じて「攻め」となるのです。
面と見せて小手への打ち
本当に面を打たれる、と相手が思うような打ち込みを仕掛け、手元が浮いたら途中で軌道を変えて小手を打つという方法です。
ただし、熟練するとほぼ相手に通じなくなる技ではあります。
面見せて小手と呼ばれることのある技ですが、単なるフェイントに終始してしまわないような心がけが必要です。
強く踏み込んで面を打つ気勢を示し、相手が頭上を防御しようとした瞬間に小手に打ち込みます。
相手によっては間合いを切ってかわそうとすることもあり、その場合は「面・面」の連撃へと変化します。
おそらく初心同士の試合で、こちらが気力の充実で優位にある場合には面白いように決まることもあるでしょう。
しかし、くれぐれも多用をせず、「隙をつくりだして打ち込む」というパターンを実感するための稽古としての意識が大切です。
こればかりに頼っていては攻めの本当の威力を実感する前に、壁に当たってしまう可能性があります。
打ち込むときは全身全霊で、という基本を肝に銘じましょう。
まとめ
初心のうちに習得したい攻めの方法としては、まずもって基本の「竹刀で中心を取る」ことです。
表からと裏からを状況に応じて織り交ぜ、独自の攻めルーティンをいくつかもつとよいでしょう。
また、自分にとって習得しやすいと思ったものから、ひとつずつ攻め方を練習しておくのも効果的です。
どれか1つができたらさらにもう1つ、といった具合に徐々にパターンを増やしていくのが確実な方法です。
中心のとり方に関してはこちらを参考にしてください。
これが剣道で中心を取る5つの方法、すぐ中心を取られてしまう剣士でもOK
剣道では、打突するためにまずは相手の「中心を取る」ことが必要とされています。相手の竹刀のある位置に割って入るような感覚で、その正中線における主導権を握ることと言い換えてもよいでしょう。しかし、初心のうちはなかなかその感覚が分からないもの。せっかく中心を取ったと思ってもすぐに取り返されてしまう。あるいは攻める間もなくこち
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photo credit: nobida Early Bird via photopin (license)
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