剣道の足さばきを速くする3つの方法とそのコツとは?

剣道の足さばきを速くする3つの方法とそのコツとは? 技術

剣道では「足さばき」を最初に習うことが多く、打突の方法に先んじて習得すべき必須の技術とされています。

剣道独特の素早い動きを支えているのは正確な足さばきであり、足さばきのレベルがそのまま剣道の強さにつながるといっても過言ではありません。

そのために必要となるのが足さばきの「速さ」ですが、どうすればそのスピードをアップさせることができるのでしょうか。

今回は、剣道の足さばきを速くするための3つの方法とコツについてお知らせします。

足さばきを速くしたいなら、まずは「安定性」を重視

最初から逆説的なお話になってしまいますが、足さばきの真の速さを身につけるためには、物理的な「スピード」だけを追い求めてはいけません。

これは剣道を始めたばかりの初心の人に限らず、ひと通りの基本動作を習って剣道具を着けて稽古をするようになった人、またはずいぶんと剣道の動きに慣れてきた人など、幅広いレベルの剣士にとって同様の注意点です。

足を速く動かすためのトレーニングはもちろん重要ですし、スピーディーに移動するためのフットワークも大切です。

しかし、剣道ではいついかなる状態からでも攻撃・反撃が行えるような体勢を常にキープすることが重要であり、それは足さばきを行っている最中にも当てはまるからです。

すなわち、足さばきの稽古ではまず、スピードではなく「安定性」を確実なものとするのが先決です。

そうすれば動作に無駄がなくなることで余計なタイムラグが発生しなくなります。その上でスピードアップのトレーニングを積むことが効率的です。

以下に、そのためのたった3つの方法とコツを解説してみましょう。

剣道の足さばきを速くするなら「狭い歩幅」を身につける

送り足を例にとってみると、一回の歩幅はあまり大きくとらないように指導されることが多いのではないでしょうか。

しかし、普通に歩く感覚からすると心もとないこともあり、無意識のうちに一歩の幅が大きくなっていく傾向があります。

まずはこれを、できるだけ小さくしてみましょう。

目安としては自身のつま先から踵までの一足の長さを一歩とします。

あまりにも小さすぎるように感じるかもしれませんが、バランスと姿勢を保ったまま素早く移動していく感覚を掴むのには、適切な歩幅です。

試合のなかではもちろん、自在に一歩の幅が変化します。ですが、常に一定の体勢をキープしながらの足さばきのためには、上記のように小足で行うことがコツとなります。

剣道の足さばきを速くしたいなら前傾しない

できるだけ速く前に進もうとすればするほど、人間の身体は前へと傾いてしまいがちです。

これはとても自然なことですが、剣道ではむしろはっきりと避けるべきこととされています。

というのも、たとえば前傾することによってスピードを得たとしても、そこから打突動作や防御・反撃を行おうとしたらどうでしょうか。

一旦上体を引き起こして、姿勢を整えるという動作が必要になります。

いざ攻撃や防御をしようとしたときに、前傾から姿勢を整えていては致命的なロスになりますから前傾は避ける必要があります。

常に正しい中段の姿勢(相中段の場合)を保って足さばきを行うことが大切です。

また、下半身の力を最大限に引き出してスピードを得るためには、実際には上体を真っ直ぐ立てた方がよいという理論もあります。

たとえば陸上競技のスプリンターのフォームをイメージしてみてください。

剣道家の目から見ても、とてもよい姿勢に感じられないでしょうか。

「前傾しない」ことが、足さばきを速くするための方法・コツの二つ目です。

剣道の足さばきを速くしたいなら腰の位置を常に水平に

初心の人にとって難しいことのひとつが、「水平移動」です。

剣道の足さばきを行っているところを横から見ると、腰の高さが常に一定のラインを保っていることです。

つまり身体の上下動を極力抑えて、いつどのような体勢からでも攻撃や防御の動作を起こせることを意味しています。

この感覚も口では説明しにくく、各人の研究と工夫が必要なテーマですが、伝統芸能の動きに模範的なものがあるのでご紹介します。

それは「能」と「狂言」です。

能や狂言の足さばきは剣道にも通じるところが大いにあり、みごとな水平移動を行っています。

剣道以外の動きにヒントを得られることの好例ですが、「腰の位置を水平に」というキーワードが三つ目のポイントです。

まとめ

相手より速く足さばきができれば、攻撃も防御も思いのままとなり、大きな優位性を得られます。

しかし、がむしゃらにスピードだけを求めていると基本の姿勢が崩れ、結果として悪癖などで無駄が多くなり速さを阻害することもあります。

最初に安定した足さばきをきちんと習得すれば、その後のスピードアップへの挑戦もよりスムーズに行えるでしょう。

目先の目的にとらわれず、長く大きな視野をもって稽古をすることが肝心です。

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